私は、「豊島区のさらなる魅力創出」と題して、1.部活動について、2.IKEBUSについて、3.公契約条例について、4.権利擁護について、一般質問をいたします。
第1に、部活動のうち、剣道、柔道といった武道部に関してお伺いします。
文部科学省の資料では、武道は、「武技、武術などから発生した我が国固有の文化」であるとされ、礼法を重要視し、人間形成を目指すといった武道の特徴を挙げながら、「我が国の伝統的な運動文化である武道を、学校における体育指導の内容として重視していくことは、我が国の文化や伝統を尊重する観点はもとより、これからの国際社会において、世界に生きる日本人を育成していく立場からも有意義なこと」と評価されています。そして、現在、武道は、中学校の保健体育の授業では必修になっています。これらのことから、武道が子どもたちの成長にとって非常にいい効果を及ぼすものと社会的に認められていることが分かります。また、学習指導要領では、「生涯にわたって運動を豊かに実践することができるようにする」ことが目標の一つとして掲げられています。この点、武道は御高齢の方でも活躍できるという特徴があり、この目標にも合致すると言えます。
以上のような観点から、子どもたちの健やかな成長のため、そして、世界に誇る日本の文化である武道の振興のためにも、今後も武道が学校教育の場に効果的に取り入れられ続けることが大切であると考えております。
しかしながら、部活動という視点で見ると、豊島区内には武道部がある学校は非常に少ないのが現状です。実際に中学校では、「剣道部に入りたいが、入学予定の学校には剣道部がないので、隣接校を希望するか、あるいは剣道部がある私立中学校を目指すか悩んでいる」という声を度々耳にしました。
まず、現時点で存在する区立中学校の武道部の具体的な数をお示しください。
また、武道部はなくとも、武道場の設備は整っているという学校もあると伺っております。そこで、区立中学校のうち、何校に武道場があるか、また、その武道場の活用状況についてお示しください。
生徒たちにとって最も身近な場の一つである学校における武道部の有無は、これから武道を始めようと考えている生徒や、これからも武道を続けたいと思っている生徒にとって、それがかなうかどうかを分ける非常に大きな要素となります。また、せっかく立派な武道場を有する学校があるのですから、それを本来の用途である武道のために活用できる機会が増えたほうがいいのではないでしょうか。
以上のことから、今後は、区立中学校の武道部の増加や武道の地域クラブ展開など、生徒たちが武道に親しむ機会を増やす試みをすべきではないかと考えますが、区の御見解をお示しください。
ところで、現状、武道部の数が少ない原因の一つとして、指導者不足が挙げられていると伺っております。指導者不足、教員の負担といった問題は、武道部に限らず、多くの部活動で課題となっており、その打開策として部活動の地域展開が検討されています。この点については、区内の武道団体の関係者の方々からも、より多くの地域の子どもたちが武道に親しめる機会を生み出せるなら、ぜひ外部指導者等の形で協力したいという力強い御意見を伺っております。そこで、区立中学校の生徒たちが武道に親しむ機会を今後新たに創出する際に、地域の武道団体との連携強化を図ることを御提案しますが、区の御見解をお示しください。
第2に、IKEBUSの運用方針について、収益向上の観点からお伺いします。
IKEBUSは、まちの魅力や価値の向上、インバウンドなどの観光客の回遊性向上、対外的なPRなどの効果が期待される一方で、かねてよりIKEBUS事業の収支の改善が課題とされていました。確かにIKEBUSには先述のような数字には表れづらい様々なメリットがありますが、より安定的な事業とするためにも、数字の部分も改善できるような積極的かつ効果的な施策を模索していくことが重要であると考えております。
この点について、直近のIKEBUSの運用事例を基に御提案をさせていただきます。4月25日から5月26日まで、アニメ「テニスの王子様」とIKEBUSのコラボ企画が実施されました。期間中、IKEBUSの車内ではアニメとコラボしたモニター表示やBGM、実際のアニメキャラクターの声優さんによる特別アナウンスを楽しむことができ、私も実際に乗車してみましたが、子どもの頃に実際に観ていたアニメのキャラクターの声が聞こえる度にわくわくし、また、懐かしい気持ちにもなりました。当該アニメファンにとっては、このためだけにでもIKEBUSに乗りに行こうと思わせられるような魅力のある企画であり、IKEBUSの新規乗客開拓という点で非常に効果的だったと評価しております。この企画は、アニメイト池袋本店で開催された「アニメテニスの王子様展」と連動した企画であると伺っております。このようなマンガ・アニメや池袋で行われる各種イベントとのコラボ企画を積極的に実施することで、IKEBUSの新規乗客開拓を図ることがIKEBUSの収支改善に有効だと考えますが、区の御見解をお示しください。
また、この企画で収支の観点から特に印象に残った点は、主要なコラボ内容の一つでもあるオリジナル特別1日乗車券の販売です。これは、アニメキャラクターが印刷された期間限定の1日乗車券であり、1枚500円で販売されていました。このオリジナル特別1日乗車券は、ファンにとってはグッズとしての価値もあるため、ファンの方が購入する可能性は高いと思われます。そうだとすれば、IKEBUSの1回の乗車料金は大人200円ですが、オリジナル特別1日乗車券の販売によって、客単価が500円に上がることが見込まれます。このような観点から、コラボ企画の際に乗客にとって魅力的な1日乗車券の販売をすることで、客単価を上げることもIKEBUSの収益向上に有効であると考えますが、区の御見解をお示しください。
一方で、企画自体は魅力的であり、私が実際に乗車した際に乗り合わせたファンと思われる方も企画を非常に楽しんでおられる御様子だったのですが、その数はそこまで多くありませんでした。このような企画の場合に十分な集客を図るには、区外のアニメファンにも情報が届くような広範囲を対象とした効果的な広報・宣伝が重要になるのだろうと感じました。今後、同様の企画を行う場合の広報・宣伝の在り方についての御見解をお示しください。
第3に、公契約条例の制定に向けた進捗状況についてお伺いします。
公契約条例に関しては、昨年、第3回定例会での私の一般質問に対して、「区内事業者との意見交換会を経て、外部の有識者や事業者・労働団体の代表者から成る会議体を立ち上げ、区としての条例案を取りまとめ、パブリックコメントを実施した後、年度内もしくは来年度の早期に区議会に提案したい」との御答弁をいただきました。御答弁時点での「来年度の早期」とは「令和7年度の早期」という意味になりますので、いよいよ当時御想定されていた条例提案の時期に入ったと言えます。また、さきの予算特別委員会における質疑の中でも、検討会議を2回ほど開催した上で、今回の第2回定例会で骨子案を示し、その後、パブリックコメントを実施して、第3回定例会での条例制定の議案とする見通しが示されていました。まず、これまでの検討会議の実施状況と、条例制定までの最新の見通しをお示しください。
また、当時の御答弁では、他区の条例を比較する際の視点の一つとして、「対象とする予定金額」について言及されました。他区の公契約条例の多くでは、一定金額以上の公契約を「特定公契約」と位置付け、この特定公契約に対して、労働報酬下限額以上の賃金等の支払いなどの公契約条例に基づく具体的な効果が及ぶという仕組みになっています。さきの御答弁における「対象とする予定金額」とは、この特定公契約を想定されたものであり、本区の公契約条例でも特定公契約の考えを導入する方針であると窺えます。この特定公契約という視点に関しては、これまでどのような議論がなされ、区としてはどのような形にしていくお考えなのか、お示しください。
そして、本区が目指すILO第94号条約型の公契約条例には労働者等の側からの申出条項の規定もあり、この条例が真に機能するためには、労働者等の方々にも広くこの条例について御理解いただくことが重要になると考えております。これまで事業者や関連団体との意見交換は十分に行われてきていると聞き及んでおりますが、労働者等の方々への公契約条例の周知については今後どのように行っていくのか、区としての展望をお示しください。
この労働者等の方々への周知に関しては、今後実施されるパブリックコメントをうまく活用することもできるのではないかと考えております。例えばパブリックコメント実施の際、事業者や労働組合、各種機関に、労働者等の方々に向けたパブリックコメントの周知、回答促進への協力を依頼するなどの手法が有効かと思われます。このような視点から、パブリックコメントの実施方法についての区の御見解をお示しください。
最後に、権利擁護の取組みについてお伺いします。
権利擁護は、高齢者や障害のある方などで、御自身での判断が難しい方の意思決定を尊重し、権利や財産を守る仕組みであり、成年後見制度や地域福祉権利擁護事業(地権事業)などが具体的な施策として行われています。豊島区は全国的にも単身高齢者が非常に多く、単身高齢者の方々は、頼れる身内が近くにいないことも少なくありません。そのような方々が御病気などで御自身での意思決定が難しい状態になった場合にも、その権利や財産が確かに守られるよう、権利擁護の制度を充実させることは豊島区にとっても非常に重要なテーマであると考えております。この点、豊島区では、豊島区民社会福祉協議会(社協)の補助事業であるサポートとしまが地権事業や成年後見制度といった権利擁護の事業を担っています。
先日、これらの事業に関して現場の方々からお話を伺う機会があり、現状の様々な課題について学ばせていただきました。まず、成年後見制度に至る前段階からのアプローチという点です。成年後見制度は、成年後見人が被後見人の財産管理、身上保護等の非常に責任の重い役割を担うものであり、本人の権利、財産、人生に大きく影響を及ぼす制度です。加えて、現在の成年後見制度では、一度成年後見が開始されると、途中で中止することはできない仕組みになっています。そのため、成年後見制度は、ある意味、最後の手段として慎重に利用すべきであり、実際に利用することになる場合でも、その前から被後見人となる方と信頼関係を築き、御本人のお人柄や価値観をよく把握し、御本人の希望に沿ったサポートが行われるように備えておくことが重要です。この点、成年後見制度の手前のサポートである地権事業や社協が区から受託している終活あんしんセンターなど、各種の高齢者支援事業を通して成年後見に至る前段階から高齢者の方々と関係を築き、円滑に成年後見制度に移行していくことが有効であると考えております。このような成年後見制度を単独の制度として捉えるのではなく、様々な高齢者支援事業と成年後見制度をつなぐという視点に関して、区はどのような御認識をお持ちかお答えください。
また、これに関しては、権利擁護は福祉総務課、終活支援は高齢者福祉課といったように所管課が異なる場合があるため、区において各部署間の情報連携などを行い、連続的で統一性ある支援を行うことが必要になると思われます。権利擁護に関する部署間の連携体制の現状の御認識と今後の展望についてお示しください。
次に、区民後見人の活躍という視点からお伺いします。
一般の区民の方が成年後見人を務める社会貢献型後見人、すなわち区民後見人は、地域に根差し、地域の住民のために活動する意欲がある方々であることから、同じ地域に住む被後見人となる方も心を開きやすく、被後見人の心情面に特に配慮したきめ細やかで温かいサポートが可能になると期待されます。一方で、専門職後見人と比べると、まだまだその活動実績は限定的であり、今後、その活躍促進に向けた取組みが必要です。
区民後見人の方の活躍促進に向けた課題の一つは、区民後見人の実務能力向上です。区民後見人を志す方は、まず養成講習を受講して、基本的な知識を身に付けます。しかし、現場で御活躍中の区民後見人の方からは、実際に後見業務を担当するためには、座学の知識だけではなく、現場の実践的ノウハウも重要であるため、講習を受けただけでは現場で活躍するのは現実的に厳しいとの御指摘がありました。この点の対策としては、例えば初めてのケースの際には先輩区民後見人が伴走サポートをする、定期的に区民後見人同士の意見交換の場を設け、実際の事例に関するアドバイスをもらうなど、区民後見人同士のつながりを強化することが有効であるというのが現場の御意見でした。他の区民後見人との関係構築が、座学だけでは得られない実務能力の習得につながるという発想です。この区民後見人同士のつながりを強化することの必要性と実現可能な取組みについて、区のお考えをお示しください。
次に、先述の養成講習を受講した後は、特段、定期講習などはなく、知識のアップデートの機会が少ないとの御指摘もあります。この点、豊島区独自に区民後見人の定期勉強会などを開催することで、知識のアップデートを図ることに加え、さきの区民後見人のつながりの場としても機能するのではないかと考えますが、区の御見解をお示しください。
また、区民後見人が成年後見人に就任する際には、同時に社協が成年後見監督人に就任する仕組みとなっています。そのため、区民後見人の活躍を促進していく上で、必然的に社協の人的・予算的な体制にも配慮していくことが必要になると考えられます。この点、権利擁護における社協の人的・予算的な体制強化の必要性に関する御見解をお示しください。
最後に、権利擁護支援の地域連携ネットワークの方向性についてお伺いします。
成年後見制度が円滑に機能するように、地域連携ネットワークが構築されています。そして、成年後見等利用促進協議会などの会議体も開かれ、成年後見制度の今後についての意見交換が行われています。しかしながら、ある参加者の方からは、現状、この地域連携ネットワークの方向性が曖昧な部分があり、この方向性が明確になれば、協議会での議論もより有意義なものとなるのではないかとの御指摘がありました。権利擁護支援の地域連携ネットワークの方向性、目標や課題については、区が先導して明確化していくことも必要になってくるのではないかと考えますが、御見解をお示しください。
以上で私の一般質問を終わります。
御清聴、ありがとうございました。
高際みゆき区長
ただいまの原田たかき議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、権利擁護に対する御質問のうち、高齢者支援事業と成年後見制度の連携に関する認識についてです。
平成12年の介護保険制度の創設を機に、福祉サービスが措置から契約により選択できるようになったことから、成年後見制度は、判断能力が低下した方の財産管理や契約等の法律行為を代理する制度として、同年の民法改正により創設されました。また、成年後見制度の利用に至る前の判断能力が十分でない段階で福祉サービスの適切な利用を支援する仕組みとして、地域福祉権利擁護事業が全国の都道府県社会福祉協議会で実施が義務づけられました。
権利擁護とは、判断能力が不十分な方を虐待や不当な契約などあらゆる権利侵害から防ぎ、生活を保障する制度です。本区においては、平成15年度に社会福祉協議会に福祉サービス権利擁護支援室「サポートとしま」を開設し、介護などの福祉サービスの適切な利用と日常的な金銭管理支援を行う地域福祉権利擁護事業などの権利擁護に係る相談を受け、支援を行っています。高齢化の進展に伴い、認知症等により、これらの権利擁護事業を必要とする方の増加が見込まれているため、その重要性が高まっており、権利擁護事業の利用促進が喫緊の課題となっています。
本区においては、今年度策定した基本構想・基本計画の中で、「住み慣れた地域で暮らし続けられる支援体制の強化」として、「自らの意思を尊重し、意思決定を支援する権利擁護の取組」を掲げています。そこで、特に一人暮らし高齢者の割合の高い本区では、判断能力が低下する以前から、日常生活に係る将来の不安や困り事に対し、区民の意思に沿った支援を行うため、令和2年度に開設した終活あんしんセンターでの相談や日常的な見守り支援等、各種高齢者支援事業において権利擁護事業についての説明を行うとともに、必要に応じて制度利用につなげております。こうした高齢者支援事業を通じて、成年後見制度につないでいくことが、切れ目のない支援を行う上で極めて重要であると認識をしています。
今後は、プレシニア層といった、より若い世代に対し、自らの意思を尊重した生活が実現できるよう、権利擁護事業への理解促進に取り組んでまいります。
次に、権利擁護に関する部署間の連携体制の現状と展望についてです。
権利擁護事業を所管する福祉総務課や終活サポート事業を所管する高齢者福祉課など、区内関係部署間の連携が重要なことは言うまでもなく、事業実施主体の社会福祉協議会はもとより、弁護士、司法書士などの専門職団体、福祉サービス事業所等の関係機関との連携が欠かせません。
一方、現在、区内関係部署と社会福祉協議会、関係団体との連携は、情報交換が中心となり、成年後見制度の利用を促進するための取組みが必ずしも十分なものとは言えない状況にあります。
そこで、区といたしましては、こうした関係機関と情報連携を緊密に行い、権利擁護事業の充実に向けた課題の解決を図り、住み慣れた地域で暮らし続けられる福祉のまちの実現に向け、実効性ある取組みを進めてまいります。
私からの答弁は以上でございます。
清野正教育長
私からは、部活動に対する御質問のうち、まず、武道部の数及び武道場についてです。
区立中学校における武道部の設置は、千川中の剣道部のみとなっております。また、武道場は、駒込中、西巣鴨中、千川中を除く中学校5校に設置されており、武道など体育の授業やバレーボール、卓球、バドミントンなどの部活動、生徒の学年集会や行事の事前指導など、様々な場面で活用されております。また、地域開放などで区民の皆様にも利用されています。
次に、武道部の増加と地域クラブ展開についてです。
武道は武術などから発生した我が国固有の文化であり、武道を通して、その伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合を行うなど、子どもたちにとりましても教育的価値の高い活動です。その一方で、部活動として武道を推進していくためには、競技の性質上、日頃の授業以上に安全を確保することに十分な配慮が必要であり、高い専門性を有し、継続的に生徒の指導に携わることのできる指導者の確保が大きな課題となってまいります。
新たに中学校に武道部を新設することにつきましては、教員の働き方改革や国の部活動地域展開の方針等を踏まえ、慎重に検討すべきものと捉えております。そのため、武道に親しむ機会を増やすことについては、教育委員会で実施しており、柔軟な運営が可能なとしま地域クラブの中で検討を進めてまいります。
次に、区立中学校の生徒の武道に親しむ機会創出における地域武道団体との連携強化についてです。
本区は、これまでも部活動やとしま地域クラブの運営において、50名を超える外部指導者のほか、大学・企業等と様々な形で連携しております。今後、武道に親しむ機会の創出に当たっては、地域の武道団体も含めた様々な団体との連携を検討してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
田中真理子総務部長
私からは、公契約条例に対する御質問のうち、まず、これまでの検討会議の実施状況と最新の見通しについてです。
公契約条例に係る検討会議につきましては、昨年12月から本年5月にかけて関係部課長による庁内検討会議を3回、本年4月から5月にかけて外部委員による検討会議を2回開催してまいりました。外部委員による検討会議では、学識経験者、事業者団体関係者、労働団体関係者のそれぞれの立場から、条例案の内容、具体的には労働報酬下限額の定め方や特定公契約とする要件等について熱心に御議論をいただきました。
今後の見通しについてですが、本定例会の総務委員会において条例素案及びパブリックコメント実施に関する御報告をし、その後、第3回定例会において条例案を上程する予定です。
次に、特定公契約に関する議論の経過と区の方針についてです。
本区における公契約条例においても、基準額等、一定の要件を満たす契約を特定公契約として位置付ける予定です。外部委員による検討会議では、特定公契約とする要件について、主に基準額の面から検討がなされ、「賃金が安くなりやすい清掃業務等労働者を保護する観点から、全部とは言わないが、ある程度の件数の公契約が特定公契約となるよう基準額を設定すべきである」などの意見が出されました。その結果、過去の契約金額の実績を鑑み、工事または製造の請負契約は9,000万円以上、工事及び製造以外の請負契約及び清掃業務などを含む業務委託契約は1,000万円以上を特定公契約の対象とするという案が示され、これを本定例会で御報告する条例素案に反映させております。
次に、労働者等への公契約条例の周知方法と展望及びパブリックコメントの実施方法についてです。
公契約条例の周知に当たっては、条例の内容を優しく解説した手引などを作成し、労働者及び事業者の双方に周知を行っていく予定です。また、パブリックコメントの実施の周知が条例そのものの周知にもつながることから、パブリックコメントの段階から周知を強化することを検討しております。具体的には、従来からの区ホームページや広報としまなどでの周知を行うほか、労働者団体などの各種団体へ直接情報提供することで、より多くの意見をいただくとともに、公契約条例の幅広い周知にもつなげてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
猪飼敏夫福祉部長
私からは、権利擁護に対する御質問のうち、まず、区民後見人同士のつながり強化の必要性と実現可能な取組みについてです。
現在、本区に登録している区民後見人14名を対象に、情報連絡会を年2回開催し、成年後見人就任後の業務内容や実務研修を実施するほか、後見業務の受任経験がある方より実務に関わる貴重な体験談を共有いただき、後見業務の理解を深めております。こうした取組みに加え、区民後見人同士のつながりを強化し、後見業務の実践的な知識の習得と受任事例に触れる機会を増やすことは、後見業務のスキル向上において有効的な取組みであると考えております。今後、この取組みをさらに推進していくためには、後見活動メンバーとも十分な意見交換を行い、区民後見人の方々にとって有意義な活動となるよう、具体的な内容を検討してまいります。
次に、区独自の区民後見人向け定期勉強会開催についてです。
区民後見人については、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職後見人や親族後見人とは異なり、同じ地域に住む区民の立場で成年後見人等として、地域福祉の互助の精神に基づき、御本人に寄り添いながら、身上保護や財産管理などの後見業務を行うことが期待されています。区民後見人としての基本的な知識の習得や経験値の拡大に当たっては、養成講習会のほか、区民後見人登録後に金銭管理業務を含む地域福祉権利擁護事業の生活支援員としての実習活動やフォローアップ研修などを行っております。
御指摘いただきました定期勉強会につきましては、とても有効であると考えられるため、区民後見人の活躍支援につながる効果的な取組みとなるよう、区民後見人の養成や支援を受託する社会福祉協議会と協議を重ねてまいります。
次に、権利擁護における社会福祉協議会の人的・予算的な体制強化の必要性についてです。
権利擁護における本区の成年後見制度の年間利用者数は、令和3年559件、4年562件、5年580件となっています。また、区民後見人の登録者数は、令和4年度が11人、5年度が18人、6年度が14人、受任件数については、令和4年度が2件、5年度が4件、6年度3件と、横ばいの状況にあります。
このような成年後見制度が十分に活用されていない状況については、これまで区と社会福祉協議会の役割分担を含め、具体的な課題解決に向けた協議が必ずしも十分でないことが原因と考えられます。また、権利擁護に関する対策や支援は、福祉的知見に加え、財産管理等に関する知識、法的な知識など、高い専門性が求められることから、人材育成にも取り組む必要があります。
こうしたことから、権利擁護事業の利用促進について、区と社会福祉協議会が区民のニーズに応じたより効果的な対策について、これまで以上に具体的な協議を進めていくことが重要です。その上で、権利擁護における社会福祉協議会の人的・予算的な体制の強化について、必要に応じ、検討していきます。
次に、権利擁護支援の地域連携ネットワークの方向性、目標、課題の明確化の必要性についてです。
成年後見制度利用促進における地域連携ネットワークは、成年後見制度について、関係者が共通の理解の促進、多様な主体の参画、活躍、機能強化のための仕組みづくりを目的としており、本区においては、令和5年に成年後見制度利用促進協議会を設置し、その役割を担っています。この協議会は、運営を社会福祉協議会に委託しており、これまで区における成年後見制度に係る取組み状況の報告や区民後見人の養成支援、具体的な成年後見制度利用に当たってのチーム支援の推進等について協議しております。
成年後見制度の今後についての意見交換では、各団体からの情報共有にとどまっており、具体的な課題解決に向けた議論が進んでいない現状があるため、今後、目標や課題を明確化する必要があると考えております。このため、これまで関係団体に対し、成年後見制度の普及啓発については、アンケート調査を実施しておりますが、今後は、各関係団体の意見を個別に聴取し、意向を十分に酌み取っていきます。その上で、成年後見制度の利用促進に向け、区のリーダーシップの下、目標・課題を明確化し、地域連携ネットワークの強化を図り、権利擁護支援を着実に推進してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
近藤正仁都市整備部長
私からは、IKEBUSに対する御質問のうち、まず、マンガ・アニメなどとのコラボ企画による収支改善への有効性についてです。
コラボ企画は、池袋の東西をつなぎ、回遊性を高めることなどを目的として運行しているIKEBUSの乗合事業を活用しています。今回のコラボ企画では、通常のIKEBUS利用者の多くにもコラボ1日乗車券の販売を働きかけたことも功を奏して、1日乗車券の販売枚数がコラボ未実施月の平均の約6倍となりました。さらに、コラボ企画実施事業者からの広告収入を得ることもできました。このため、通常利用する方々のニーズとの両立にも留意しながら、積極的にコラボ企画の活用を図っていくことは、収益の改善に有効であると考えます。
次に、コラボ企画時の1日乗車券の販売による収益向上についてです。
コラボ1日乗車券は、人気のアニメキャラクターが印刷されていることから、通常であれば1回分の乗車券を購入することで用が足りていた多くのファンの方々にも購入していただくことができました。通常の1回分の乗車券と企画の1日乗車券のそれぞれの値段の差分、すなわちお話にあった「客単価を上げること」は、全体の収益を押し上げることに寄与するものと考えることから、今回のようなコラボ企画はIKEBUSの収益向上に有効であるものと考えます。
次に、今後の広報・宣伝の在り方についてです。
今回、東口の観光案内所やサポーター企業により、通常のIKEBUSの利用者の多くの方々にもコラボ1日乗車券の販売をしていただきました。これは、IKEBUSの乗合事業における通常利用とコラボ企画との利用との調整を図る上で効果的であることから、今後、観光案内所などと連携した販売促進に向けた広報を充実していきます。併せて、当該アニメの公式SNSをはじめ、様々な媒体を活用した広報も推進してまいります。
以上をもちまして原田たかき議員の御質問に対する答弁を終わります。