子ども予算拡大と最新教育技術の導入

豊島区の「子ども予算」を拡充し、区独自の子育て支援制度の充実化と学校教育の多様化を図ります。

子育ての経済的負担を軽減する必要

昨今日本の少子高齢化による人口減少が大きな問題となっております。厚生労働省の発表によると、令和3年の日本の出生数は約81万人であり、6年連続で過去最少を更新しています。

その大きな原因の一つとして考えられているのが、子育てにかかる経済的負担です。過去の厚生労働省の調査では、子育て世帯の7割以上が「子育てに負担・不安に思うことがある」と回答し、その理由の上位2つが「子育ての出費がかさむ」、「将来予想される子供にかかる経済的負担」となっており、いずれも回答者の40%以上が挙げているものになります。

出典:総務省統計局「日本の統計」

加えて昨今はSNSの普及に伴ってこういった子育てに関する苦労も広く拡散されるようになり、若者の間で子育てに対して消極的に感じる方が増えているのではないかと見受けられます。

子どもたちは将来の日本を支える大切な人材です。多くの子どもたちが健やかに成長していくことができる環境を整備することが、日本、地域の持続可能性を保つうえで必要不可欠です。そしてそのためには、子育てにかかる経済的負担を行政が率先して軽減する政策を打ち出していくことが重要です。

実際に子育てにかかる経済的負担軽減は国政でも推し進められております。直近では国民民主党がかねてより主張しておりました「児童手当の所得制限撤廃」に関して、政府は児童手当の所得制限を撤廃する方向で調整に入り、支給対象年齢も18歳まで引き上げる考えだと発表しました。国政のこの流れを受けて、各自治体もそれぞれの実情に合わせた形で独自の子育て支援政策を展開していくべき時であると考えます。

出典:厚生労働省「人口減少社会に関する意識調査」

豊島区では、現時点でも様々な子育て手当・助成・給付制度や相談窓口体制などが整備されており、豊島区は子育て支援に強い区であると言えます。ただ、これらの制度の多くは低所得世帯、ひとり親世帯、障がい児等対象を非常に限定しているものとなっております。もちろんこれらの方々に対する支援は十分に行われるべきです。

しかし、子育て自体が非常に費用のかかる営みであり、上記ほどの特別な事情がない家庭であってもその経済的負担は大きいのであり、だからこそ冒頭の少子高齢化に繋がっているものと考えます。そのため、今後は特別な事情の有無に関係なく、すべての子育て世帯を等しく支援する仕組みが求められます。

所得による制限のない子育て支援を導入

そこで、所得制限などの特別な条件なく、区内のすべての子育て世帯が等しく受けられる豊島区独自の子育て支援制度を拡充します。現在の施策の中では「子どもの医療費助成」の制度などがそれに該当しますが、今後は自主学習教材、習い事、部活動など、多くの子どもたちが取り組む可能性があり、かつ一定の費用がかかる分野に支援の幅を拡大していきます。

そして国政と比較したときの地域のフットワークの軽さを活かし、豊島区が率先して所得制限のない子育て支援策を展開していくことで、この風潮を他の自治体、そして国政にまで波及させていくことができれば、より一層充実した子育て環境の創出が期待できます。

公教育の充実を進めます

さらに、子育ての経済面を支援するだけにとどまらず、子どもたちが自分らしくのびのびと成長していけるように、豊島区の学校教育を拡充します。最新のデジタル技術やeスポーツなどの斬新な技術を学校教育の場に積極的に導入し、学校の授業スタイル、教育方法の多様化を図ります。

豊島区では「GIGAスクール構想」のもと、コロナ禍初期から区内の小中学生に対して一人一台のタブレットPCを貸与する政策を実行しました。これによってコロナ禍でのオンライン授業や教材のオンライン配信などが可能になり、学校教育の可能性が大いに拡大しました。このように豊島区は教育改革にもスピード感をもって取り組んできた自治体です。この基盤を活かして、時代の最先端をとらえた効果的な教育システムを豊島区の学校に導入していきます。

一般に学校教育、特に公立学校の授業というと、どうしても「一方的」、「画一的」、「味気ない」という印象が強いのではないかと思われます。このような学校教育のステレオタイプを塗り替えていきたいと考えております。

私は豊島区にて個人事業主として学習塾を経営し、その自由度を活かして様々な独自の授業スタイルを編み出し、生徒たちに実践してもらい、そしてそれによって生徒たちが成長していく姿を目の当たりにしてきました。この経験から、「教育の方法は一つではない。その可能性は無限にある」と感じるようになりました。また、私の授業スタイルは一般的な学校での授業と比較すれば非常に独特、奇抜なものだったかもしれませんが、そういった方法が学校では使えないとは考えません。むしろ学校の授業であっても、もっと自由な発想を取り入れることができてしかるべきだと考えています。これらの経験や学びを活かし、より自由な発想で豊島区の学校教育のアップデートを図ります。

まずは、既に配布済みのタブレットPCというハードを最大限に有効活用できるようなソフト面の工夫を検討していきます。具体的には、集団授業で起こりがちな「授業についていけずに振り落とされてしまう」という問題を克服する一助となるような、各生徒の理解度に応じた出題が可能な問題演習アプリケーションなどが候補として挙げられます。このようなソフト面の工夫によって、従来型の学校教育が抱えていた問題を改善し、より充実した教育を生徒たちに提供できる体制を構築します。

その他にも、先述のeスポーツなどは当初教育とは別領域の技術とされていましたが、最近では教育の場面でも効果を発揮しうるという評価を得つつあります。こういった斬新な技術もためらうことなく導入し、学校教育の多様化を図ります。

子育ての経済的負担を軽減し、その上で子どもたちに効果的な教育を提供することで、真に子どもたちにとって有益な環境を創出していきます。

区民の皆様に「ここでなら安心して子育てができる」、「子どもたちに充実した教育を受けさせてあげられる」と実感していただける豊島区を実現します。