シルバー世代への支援政策として、豊島区の成年後見制度の利用促進のための施策を拡充します。
成年後見制度とは
成年後見制度は、認知症や知的障害その他の精神上の障害によって物事を判断する能力ではない方の日常生活を法律的に支援する制度です。判断能力の状態に応じて成年後見人・保佐人・補助人が定められ、本人に代わって本人の財産等の管理を行います。
昨今の高齢化の進行に伴い、今後これまで以上に認知症高齢者、1人暮らし高齢者の方が増えていくことが見込まれることから、こういった制度の重要性が増してくると言われています。
一方で、成年後見制度はその重要性に反して認知度が低く、まだまだ一般に浸透しているとは言えない状況です。「豊島区成年後見制度利用促進基本計画」によると、現在豊島区の高齢者人口は約6万人であり、そのうち約7千人が支援が必要な認知症高齢者です。それに対し、令和2年12月31日時点での成年後見制度利用者数は合計540人であり、潜在的な制度需要に対し、制度利用が大いに遅れているということができます。
このような状況を改善し、区民の皆様にとって成年後見制度がより利用しやすいものとなるよう、広報、相談窓口、担い手育成など様々な面における利用促進のための施策を実行していきます。
専門家による成年後見を拡げます
成年後見制度では、弁護士や司法書士、行政書士といった専門家が成年後見人等に就任して制度の担い手となるケースが大多数です。私自身がその一つである行政書士として活動してきたことから、専門家としての専門知識を行政にしっかりと反映させ、制度の拡充を進めます。
まずはそもそも知名度が低く、何の制度なのか知らない方が多い現状を改革すべく、制度PRに向けた様々な取り組みを展開します。成年後見に関する専門知識を活かし、制度内容を正確に、かつ分かりやすく宣伝していきます。さらに、宣伝を見て興味を持った方の相談に応えるための窓口も整備し、豊富な知識を有する相談員を設置します。
また、成年後見制度の支援が必要であるにもかかわらず、その存在を知らずに利用できていない方のために、行政の側からアプローチして制度利用に繋げる取り組みを進めます。潜在的需要発掘のための調査活動や利用案内のための訪問活動などを計画的に実施します。
豊島区独自の取り組みを更に進めます
さらに、利用希望者が増加したときに安定して対応が可能になるよう、制度の担い手となる人々の募集、育成に力を入れます。区内の専門家との連携体制を強化するほか、民間の方からの募集、研修プログラムを拡充します。
成年後見制度は高齢者の方にとっては自己の意思が尊重されたうえで財産等を適切に管理することができ、ご親族の方にとっては介護等の負担の一部を軽減することに繋がるものであり、高齢化が進む社会にあって非常に有益な制度です。街の法律家である行政書士としての知見を活かし、シルバー世代の方々が人生100年時代を安心して生き抜ける地域の創出の一端を担います。