御答弁の中にも「区内事業者や関係者の皆様とも十分に意見交換をしながら」との御発言がありましたが、条例制定に向けては多くの段階を経ていく必要があると考えます。この点、今後の条例制定に向けた検討の具体的なスケジュールについて、現段階での見通しをお示しください。
次に、公契約条例の内容に関してお伺いします。
一般に、公契約条例は、労働報酬下限額以上の支払いの定めがある労働条項型と定めのない理念型に分けられます。まだ、労働条項型の中でもさらにILO第94号条約型、公権力規制型、行政指導型に分類されます。そして、他区の条例制定状況を見ると、ILO第94号条約型を採用している区が最も多いようです。
ILO第94号条約型とは、発注者たる自治体と受注者たる事業者との間の契約によって、公契約に関係する労働者等への労働報酬下限額以上の賃金・報酬の支払いの実効性を確保する仕組みを指します。この点、他の類型と比べてもこの類型が最も実効性が高いと評価でき、だからこそ他区の多くがこの類型を採用しているものと考えられますので、本区が公契約条例を制定する場合には、本区もこの類型を採用すべきではないでしょうか。特に、実効性を確保する要である受注者及びその下請等である受注関係者との連帯責任、労働者からの労働報酬下限額の請求権の要素は確たるものにすべきだと考えます。
そこで、今後、本区で公契約条例を実際に制定することとなった場合には、どのような内容の条例とするのが望ましいか、現時点でのお考えをお示しください。
第2に、相続・死後事務支援に関して、おくやみコーナーの現状と今後についてお伺いします。
豊島区役所3階に設置されているおくやみコーナーでは、身内に不幸があった方に向けて、今後必要な手続き等についての御案内をしています。おくやみコーナーを利用することによって、区役所内で必要な手続きについては前もって関係部署間で事前調整を図り、相談当日に利用者の方がワンストップで迷わずに必要な手続きを進められると伺っており、大変効果的な支援だと評価しております。
まず、直近のおくやみコーナーの利用状況をお答えください。また、予約があったときから相談日当日まで、具体的にどのような手順で支援を進めておられるのかも併せてお答えください。
ところで、現状のおくやみコーナーは、区役所内での手続きの円滑化という点に特化した機能を有していますが、実際に身近な方が亡くなられたときには、相続、税金、不動産登記、銀行の手続きなど区役所の外で行わなければいけない手続きや事務が多数あります。このような内容の相談があった場合には、外部の相談窓口を紹介する、区役所内で実施している専門家相談を案内するなどの対応をされると伺っております。なお、専門家相談は、その日に受けることはできず、予約をして後日再度来庁する必要があります。
この点、おくやみコーナーを利用しようとする方のニーズを考えたときに、区役所内の手続きに関しての支援のみ求めているとは考えづらく、漠然と身内の死後にやるべきこと全般に関して道筋を示してもらいたいという場合が多いのではないかと思われます。仮に相談者から窓口で区役所外の手続き等に関して直接的に相談されなかったとしても、うまく言葉に表せないだけで、潜在的にはそこまでの支援を求めていると考えるのが妥当ではないかと考えます。
このように考えた場合、おくやみコーナー利用者の多くが専門家相談などの専門家の支援を受けるのが適切だということになります。しかし、現状の体制では、一度おくやみコーナーの窓口に来た後、改めて専門家相談のために後日来庁する必要があり、せっかくのワンストップ窓口としての利点が薄れてしまうように感じます。
そこで、おくやみコーナーを現状の総合窓口課の窓口機能の一つとしてではなく、外部の専門家による相続・死後事務に特化した新しい相談窓口として再構成することを御提案します。具体的には、おくやみコーナーの利用予約があった際、区側は従来どおり区役所内の各部署での事前調整を行った上で、専門家相談員に当該利用者の当日の区役所内での流れを伝達します。そして、実際の相談者への対応は専門家相談員が担い、当日の区役所内での手続きの流れの説明や相談者からの相談対応を行います。この形であれば、従来の区役所内でのワンストップ手続きという利点は維持した上で、区役所外の手続き等の相談にもその場で対応することが可能になり、相談者にとってより便利な窓口になると考えます。
以上より、おくやみコーナーを専門家による相談窓口として再構成することを御提案しますが、この点に関する区の御見解をお示しください。
また、もしここまでの大きな変革がすぐには難しい場合、より現状に即した改善案として、専門家との短時間のオンライン面談をおくやみコーナーにおける支援メニューの一つに追加する方法も御提案しますが、これに関する御見解もお示しください。
第3に、交流都市との交流の現状と今後の方針について、特に人事政策の視点からお伺いします。
我が会派は、本年8月27日に北海道中富良野町を視察してまいりました。豊島区と中富良野町は、令和4年7月1日に「としまぐらし&ナカフライフ相互交流宣言」を締結し、現在に至るまでファーマーズマーケットでの定期的な出店などの形での交流を続けています。
今回の視察では、今後の豊島区と中富良野町の交流の在り方についてのアイデアを多く伺うことができました。その一つがテレワーク、ワーケーションです。中富良野町では、令和3年度に2つのテレワーク施設が整備されました。これらの施設は、中富良野町の自然豊かな環境の中で快適にテレワークができることを売りにしており、広々とした空間、充実した設備、窓からの美しい景観などの要素によって、非常に良好なテレワーク環境を創出しています。実際に企業などがワーケーションや社員研修として利用しているとのことでした。このテレワーク施設を豊島区の職員がワーケーションのような形で利用できるようにしてはどうかというアイデアをいただきました。
これに関して、まず、現状の本区の職員の方々のテレワークに関する規定やテレワークの実施状況をお聞かせください。
テレワークやワーケーションについては、コロナ禍を経て社会に大いに浸透し、企業ではコロナ5類移行後もテレワーク主体で勤務されている方も一定数おられるとのことです。働き方改革や多様な働き方が求められるようになった昨今、このような交流都市の施設を活用させてもらい、新しい勤務の形を選択肢として用意しておくことは、魅力のある職場環境づくりという点で大いに意義のあることだと考えます。
そこで、姉妹・友好・交流都市と連携したテレワークやワーケーションの実施について、区の方針をお示しください。
また、中富良野町からは、豊島区との人事交流についてのアイデアもいただきました。先述のテレワーク施設を利用してのワーケーションからさらに一歩踏み込んで、ワーケーション中の一定期間、中富良野町役場で現地の職員の方と一緒に勤務して人事交流を図るというものです。逆に、中富良野町の職員の方が豊島区役所で勤務することも考えられます。
このような形での人事交流は、事業を通しての交流だけでは見えづらい、相手の自治体の強みや抱える課題などより深い部分を学ぶことができ、非常に効果的な施策だと考えます。中富良野町に関して言えば、町の花であるラベンダーを中心に美しい花々や自然の魅力を打ち出した観光戦略の巧みさには目を瞠るものがあり、内部からその観光振興施策に触れることで、本区の観光振興にも活用できる有益な学びを得られるのでないかと思います。
そこで、まずは現状の姉妹・友好・交流都市との人事交流の実施実績を伺います。現状は、秩父市、箕輪町との間で人事交流を行っていると伺っておりますが、その実施内容をお答えください。また、この取組みによってどのような効果を得られると想定しておられるか、御認識をお教えください。
また、豊島区は、この2自治体以外にも多くの自治体と友好・交流都市としての関係を築いております。これらの自治体もそれぞれにすばらしい魅力があり、仮に先述のような人事交流を拡大することができれば、本区としても得られる効果は大きいのではないでしょうか。そこで、今後、秩父市、箕輪町以外の連携自治体との人事交流も実践していくことを御提案しますが、区の御見解をお答えください。
第4に、外国人政策に関しては、初めに外国人相談窓口についてお伺いします。
令和5年度の事業提案制度を通して、本年7月1日に区役所4階に外国人相談窓口が開設されました。先日の記者会見にて、7・8月の利用実績が発表され、7月は144件、8月は81件の相談があったとのことで、盛況ぶりが窺えます。
まず、現在の相談体制に関してお伺いします。
記者会見の資料では、「中国語、韓国語が堪能な相談員1名を配置」しているとの記載がございましたが、相談件数の多さを踏まえると、お一人で対応しているわけではないのではと考えております。この点、現状の相談員の相談体制はどのようになっているのか、お答えください。
また、記者会見では、相談内容の内訳に関しても公表されました。これを見ると、税・保険・年金に関する相談が最も多く42%、次いで、子どもに関する相談が14%、法律が8%、窓口手続きが7%、在留資格が6%となっています。この点、最も多い税・保険・年金に関する相談に関しては、区の管轄外の内容のものも一定数あるのではないかと推察します。また、一定の件数があると見られる法律や在留資格に関する相談については、専門的な内容になるため、区としての対応が難しい相談もあるかと存じます。
このような場合には、専門の相談機関や窓口を紹介するなどの対応をされていると伺っております。適切な御対応ではありますが、やはり相談者にとっては、区役所に相談に来た後にまた別の場所に問い合わせなければならないことが不便であることは否定できません。また、例えば、在留資格の相談先である東京出入国在留管理局の電話窓口の多くは回線混雑が常態化しており、電話がつながるのに1時間以上かかることすらあります。そうした実態も踏まえると、可能な限り、区の外国人相談窓口で対応できる相談の幅を広げることが外国人相談者の方々の利益につながると思われます。
そこで、外国人相談窓口についても、専門家相談員を配置することでより利便性の高い窓口にすることができるのではないでしょうか。実践方法については窓口に専門家相談員を配置する方法以外にも、実際の相談中に必要に応じて区内の専門家団体から電話やオンラインでの助力を得られる体制をつくるなどの方法もあり得ます。この点についての区の御見解をお示しください。
次に、外国人材の活用という観点からお伺いします。周知のとおり、現在は豊島区民の約1割が外国人住民という状況であり、本区にとって外国人住民の方々との共生は区政運営における欠かせない課題です。
これに関して、直近では、外国人住民へのごみの出し方の周知など、本区あるいは日本の制度や文化に関する外国人住民の理解を促進し、日本人住民との間の摩擦を軽減する施策が様々実施されてきました。これらの施策はいまだ課題は残るものの、着実に成果が出ているものとお見受けします。
ところで、これまでの施策は、外国人住民が地域に円滑に順応できるようにするという視点での取組みが主体であり、外国人住民の方の力を活用して区を盛り上げるという視点での施策はあまり多くなかったのではないかと考えております。
この点、日本の就労系の在留資格を得るための条件は存外厳しいものです。企業に勤めるための「技術・人文知識・国際業務」の在留資格であれば、基本的に大卒相当以上の学歴が必要ですし、「技能」の在留資格を得て調理師として勤務するためには、10年以上の実務経験が必要です。起業する場合でも、一般に500万円以上の出資の下で営まれる相当規模の事業でなければ、「経営・管理」の在留資格は得られません。したがって、日本で働かれている外国人の方の多くはこれらの厳しい条件をクリアした優秀な人材だと言えます。そのような人材を適切に活用することができれば、地域活性化に大いに資するのではないでしょうか。
国では、令和2年に「地域における多文化共生推進プラン」が改訂され、その中で、「外国人住民による地域の活性化」が掲げられており、令和3年にはそれに基づき多文化共生推進の優良事例を紹介する事例集が作成されるなど、外国人材の力を活用した地域活性化を推進しています。
この事例集に記載されている実例を紹介すると、岐阜県美濃加茂市では、官民共同で推進される「インバウンド推進による外国人材との共生と共創のまちづくり事業」の中で、外国人住民も参加する地域内の観光資源の再発見等をテーマとしたワークショップが開催され、それを通して外国人の視点を取り入れたインバウンド誘致策が実践されているそうです。さらに、この事業はインバウンド誘致にとどまらず、外国人住民と地域の住民の交流の機会を生み出す、参加した外国人住民が地域の観光業に就職して地域で活躍するきっかけにするといった形での将来的な多文化共生の推進まで狙っている点も大変興味深いものです。
また、東京都では、優れた創業計画を有する外国人起業家の在留資格取得や起業手続きの支援を行う「外国人創業人材受入促進事業」が、新宿区では、区内外国人の区内中小企業への就職を後押しする「就業促進支援事業」が実施されているなど、近隣でも外国人材の活用が進められていることが分かります。
このように、昨今は社会全体で外国人材の力を活用した地域の活性化が推進されています。そして、地域と外国人材がうまく連動して取り組むことで、外国人住民がより地域に馴染むきっかけとなり、地域の治安改善にもつながります。
そこで、本区においても外国人材を巻き込んだ観光振興事業の実施、民間の多文化共生イベントへの後援・協賛等の形での支援、区内産業と外国人材のマッチングの機会創出など、外国人材の力を地域の活性化に向けて積極的に活用する政策を御検討されてはいかがでしょうか。この点に関する区の御見解や今後の方針をお示しください。
■区長(高際みゆき)
ただいまの原田たかき議員の御質問にお答えいたします。
私からは、外国人住民の力を地域活性化に活用する政策についてです。
本区の総人口に占める外国人の割合は、今年1月の11.2%から9月には12.0%まで急増しており、今後もさらなる増加が見込まれます。
そうした中、区民の皆様一人一人が暮らしやすさを実感し、誰もが活躍できるまちづくりを進める本区としては、同じ区民である外国籍の方も地域コミュニティや区政に積極的に参画していただくことが一層重要となってまいります。この考えの下、現在策定を進めている基本構想では、3つの理念の最上位に、国籍などの多様性を認め、尊重し合うことを掲げ、全ての施策の基本として位置付けております。
原田議員からは「外国人材の活用」「外国人材の力を地域活性化に向けて積極的に活用する政策」との御質問でありましたが、私は、区政において、外国籍である仲間、外国籍区民の活躍を推進すること、生き生き暮らし、育ち、学び、働き、活躍できる環境づくりを進めること、「活用」より「活躍」に重きを置いています。基本構想・基本計画の策定に当たっても、外国人の声を活かすため、外国人との未来としまミーティングを開催し、留学生や子育て中の方、御商売をされている方、外国人支援に携わる方などから、本区転入後の様々な生活上の壁や保育、進学、福祉に関する要望、理想とする本区の将来像などについて多数の御意見を伺いました。特に、何人もの方から「同じ地域の一員として町会とつながりたい」との御意見があり、地域コミュニティにおける外国人の孤独対策、つながりの必要性を実感したところであります。
行政としてやるべきこと。まず、日本での生活に不安を抱える外国人住民の暮らしへの支援、それが地域における活躍につながる土台となります。今後も外国人とのタウンミーティングなど直接声を伺う場を持つとともに、区民ひろばでの異文化理解事業や、日本人・外国人の交流イベントなどへの支援を行い、相互理解に基づく多文化共生のまちとしていきたいと考えております。
そして、そうした取組みや活動の中で、インバウンド向けのシティプロモーションや国際色豊かなまちの賑わい創出、外国籍の子どもたちの支援など、外国人の方が持つ強みや日本人では気づかない視点・発想が区政や地域活動に活かされる、共創によるまちづくりを進めてまいりたいと思っております。
■政策経営部長(山野邊暢)
私からは、外国人政策における現状の相談体制についてお答えいたします。
現在、外国人相談窓口担当の相談員として、中国語及び韓国語に堪能な会計年度任用職員を専属で1名配置するとともに、広聴専門相談員6名と連携して対応しております。これに加え、英語・中国語による外国人相談に対しては総合窓口の職員が、それ以外の外国語対応については、タブレット等の翻訳ツールを活用し、相談を行っております。
次に、専門家相談員の配置と専門家団体との連携についてです。
現在、外国人相談窓口における相談は、区役所内における手続きや申請方法等に関するものが多くを占めております。在留資格に関することなど外部機関等における対応が必要な相談は、その場で担当する機関におつなぎをするほか、チラシで概要を説明した上で、必要に応じて相談予約のお手伝いなどをしております。
また、区では、外国人支援を行っている団体と連携した「臨時相談窓口」を8月より開始しております。このネットワークには、法律事務所や社会福祉協議会も参加しており、専門的な相談が可能となっております。
今後も部署間の連携を強化し、相談を通じて情報や知識を蓄積することにより、相談員の専門性を高め、相談の質を向上させてまいります。併せて、専門家とのさらなる連携強化についても、オンラインの活用等を含め、検討を進めてまいります。
■総務部長(小池章一)
今後、区として公契約条例の類型、対象とする予定金額や労働報酬下限額の設定方法など様々な項目を検討し、条例案の方向性を定めた上で、区内事業者との意見交換会において具体的な協議を進めたいと考えております。区内事業者との意見交換会を経て、外部の有識者や事業者・労働団体の代表者から成る会議体を立ち上げ、区としての条例案を取りまとめ、パブリックコメントを実施した後、年度内もしくは来年度の早期に区議会に提案したいと考えております。
次に、公契約条例の望ましい内容についてです。
令和に条例制定した9区のうち5区がILO第94号条約型で、発注する自治体と受注者が労働者等に対し労働報酬下限額以上の賃金を支払う契約をすることを条例で定めています。公契約条例の目的は、区が発注する公共工事・公共サービスの品質を確保するとともに、労働者の労働環境確保の実効性を高めること、労働報酬下限額や公契約に関する区の方針を定めることにより、労働者の賃金引上げやダンピング防止につなげることと認識しております。
公契約条例の制定に当たっては、労働報酬下限額以上の支払いを義務付ける賃金条項、受注者の連帯責任条項、労働者等に当該報酬額が支払われない場合の申出条項や、労働者等への不利益取扱い禁止条項などが盛り込まれているILO第94号条約型を基本にしたいと考えております。
加えて、これまで本区が実施している労働条件等調査の実績を踏まえた公契約条例を検討してまいります。特に、労働報酬下限額以上の支払いや連帯責任に関しては、事業者の皆様の理解を得ることが何よりも肝要でありますので、区内事業者、関係者の皆様と丁寧な意見交換を重ねながら、公契約条例の早期制定に向けた準備を進めてまいります。
次に、姉妹・友好・交流都市の御質問における本区のテレワークに関する規定及び実施状況についてです。
本区においては、豊島区テレワーク実施要綱に基づき、令和5年1月から本格実施しております。令和5年度は、管理職を除き395人、20.7%の職員がテレワークを実施しました。窓口職場など実施が難しい職場もあり、職員一人当たりの実施回数は、年間で1.8回と決して高くはありませんが、子育てや要介護者を介護する職員は優先対象職員として週2日の実施を認めるなど柔軟に運用しており、育児や介護と仕事の両立の実現が図れるよう活用されております。
次に、姉妹・友好・交流都市と連携したテレワークやワーケーションの実施についてです。
ワーケーションについては、誘致に取り組まれている自治体も多く、多様な働き方の整備を進める中では一つの手法であると捉えております。ワーケーションは、テレワーク施設を利用することによるネットワークづくりや休暇と組み合わせることによる休暇取得促進などのメリットがあると考えておりますが、一方で、本区においてはテレワークそのものの実施率が低迷していることから、当面は実施場所を自宅とするテレワークの推進に注力していきたいと考えております。ワーケーションについては、こうした取組みと並行して、他自治体の実施状況を情報収集し検討してまいります。
次に、秩父市、箕輪町との人事交流の実施内容及び想定される効果についてです。
秩父市とは、平成29年度から人事交流を開始し、これまでに4名の職員を派遣しました。また、箕輪町については、平成19年度からこれまで10名を派遣しております。いずれも派遣先の自治体の事業や業務の進め方を学ぶことにより職務遂行能力の向上を図ることや、自治体間の相互理解と協力関係を深めることを目的として継続して実施しております。
現在、本区からの派遣職員は、箕輪町では、動画出演などを通して町の魅力を発信する広報部門に、秩父市では、地域少子化対策や過疎・辺地対策を推進する企画部門にそれぞれ配属されております。人口規模や財政規模が大きく異なる自治体の業務に従事することで、幅広い視野や柔軟な発想力を養うことができるものと考えております。
また、両自治体からの派遣職員については、現在、文化商工部に配置しており、交流都市と連携した事業の実施における橋渡し役として、派遣元自治体のPRも行いながら、中心的に活躍しています。
次に、秩父市、箕輪町以外の連携自治体との人事交流についてです。
現在、サンシャインシティやUR都市機構など民間も含め積極的に派遣を行っておりますが、派遣先については、目的や効果を見極めながら選定しているところです。連携自治体との新たな交流は現時点では具体的な検討をしておりませんが、組織活性化や人材育成の観点から、様々な方策を模索してまいります。
■ 区民部長(藤田力)
私からは、相続・死後事務支援におけるおくやみコーナーの利用状況と具体的な支援手順についてお答えいたします。
本年度の4月から8月までに合計454名が利用されています。このうち、予約された方は152名、予約なしで来庁された方は256名、電話でのお問合せは46名です。
まず、総合窓口課で相談者の予約日程が決まったら、関係各課におくやみ管理システムへの入力を依頼します。その後、相談者が来庁される前日までに、必要な手続きをスムーズに行えるように、該当する所管の巡回リスト、各種申請書類の準備をいたします。相談者が来庁された際には、該当する手続きの案内と出力した書類について説明を行います。例えば、国民健康保険に御加入の方が亡くなって葬儀を行った場合、喪主に葬祭費が7万円支給されますので、領収書など必要書類の確認と国民健康保険課窓口の案内を行い、書類が不足している場合は、郵送での手続きも案内します。また、返還のみで済む印鑑登録証や特定医療費(指定難病)受給者証などは、受け取り後、担当課に送付し、相談者が直接行かなくても済むよう配慮しています。なお、不明点や疑問点については、必要に応じて担当課への照会を行います。その後、相談者が窓口に行かれる際には、申請書類が入った専用の赤いファイルで一目で分かるよう工夫しています。また、必要に応じて最初の手続き窓口まで職員が随行するなど、丁寧な対応を心がけています。
次に、おくやみコーナーを専門家による相談窓口として再構成する御提案及び専門家との短時間のオンライン面談を支援メニューに追加する御提案についてです。
おくやみコーナーを現在の形で実施している最大のポイントは、「職員」が対応していることです。手順に関する答弁と繰り返しにはなりますが、御説明の場で細やかな手続き方法の説明が可能であること、そして、説明の中で生じた疑問をすぐに関係課に確認・相談することが可能であるといったことが最大のメリットとなっています。これにより、来庁された方の負担はかなり軽減されているものと考えております。
また、おくやみコーナーを利用される方の中には、少なからず専門家の相談を必要とする方がおり、おくやみコーナーと専門家相談の連携は必要であると考えます。
しかしながら、現行では、専門士業の予約には、キャンセルが出てその日に入れることもあれば、1カ月かかることもあり、また、既に行っているオンライン相談も時間が指定されているなど、至急対応が必要なおくやみコーナーの利用者との日程合わせが難しい状況となっています。
今後、こうした予約時間等の利便性を高め、おくやみコーナーの充実を図れるよう、専門士業の皆様の御協力を得られる方策について検討してまいります。